オーダースーツのオプションについて

イメージ通りのスーツを買いたい人が覚えるべき15のパーツ

いざ、購入する際に自分に似合うのかを知る大事なスーツの基礎知識。
いくつかのパーツで構成されていますが、そのディティールが違うだけで大きく見た目が変化します。
購入する前、自分の来た時のイメージにこのスーツはあっているのか等に確認に活用してください!
購入時にはフィッティングテーラーに聞けば、スムーズに進み愛着のわく一着に仕立て上げられます。
今の体形を変える魔法は使えないので、許してくださいね。(笑)

スーツジャケット FRONT1

ジャケット 前 身頃

カラー

ジャケットの折り返された衿の上部のことです。
首に沿って立ち上がるのぼりのデザインが美しいほど上質と言われています。
中に着るワイシャツは、衿の後ろから多少のぞかせるのが綺麗に見えます。

ゴージライン

カラー+ラペルの縫い合わせの部分です。
ゴージラインが上がっていくほどクラシックなスーツのデザインになります。

流行を作り出す為に、多くのデザイナーが上げたり下げたりしています。
ちなみに最近の流行りはゴージラインが高いスーツです。

フラワーホール

昔はスーツのラペルを風から守る、風防として活用していました。
その時に衿をボタンで留めた名残の穴が、このフラワーホールです。
その後は花飾り等を付ける際に使用するパーツとなっています。

胸ポケット

ポケットチーフを挿してドレスアップする時に使用する箇所です。
他にもメガネやペンを挿して、自分だけのオシャレを楽しむ人もいます。
縁取りされているセットインポケットが基本のデザインです。
胸ポケットのデザインが変わるだけでも、ジャケットの印象が変わります。

胸ポケット2つの種類

・ウエルトポケット

よく見かけるスーツの定番デザイン。
ビジネスシーンでは基本的にこの形で、別名箱ポケットとも呼びます。
ポケット口に縁飾りがついています。

・バルカポケット

バルカとはイタリア語で船を表します。
ポケットが斜めにカーブを描き、まるで長い間使用していたポケットのようなクラシックなデザインです。
高度な技術が必要で、こだわりを持つ人が好んで注文するポイントです。

カフ

スーツの袖口のことです。
いくかのデザインやボタンの数・種類、糸の色、ボタン間隔などで大きくイメージが変わります。
細部まで遊ぶことができ、様々なデザインでの楽しみができる箇所です。

カフ3つの種類

・本切羽

オーダーメイドスーツで昔から人気のあるポイントです。
袖口のポイントが開閉できるという特徴があります。
裏地をペイズリー柄などの洒落っけのあるものをチョイスすれば、腕まくりしても様になります。
ちなみに読み方は「ほんせっぱ」です。

・重ね付け

イタリアのブランドに多くみるボタンを重ねて付けたデザインです。
重ね具合や間隔などで職人が技術力を示す場所でもあります。

・開き見せ

既製品に多く。開閉できるように魅せる飾りつけのことです。
カジュアルなジャケットに用いられ、釦ホールの糸を変更してお洒落を楽しむ方が多いです。

スーツジャケット FRONT2

ジャケット 身頃 説明

袖山

スーツの身頃と袖を接合している部分のことです。
袖山の高さによって、ジャケットの袖を付ける方法や腕周りの可動域や運動力が大きく変わってきます。

ラペル

ジャケットの折り返された衿の下の部分です。
ジャケットの印象を決めるとても重要なパーツで、
TPOや自分のイメージするデザインを想定して選ぶのがベストです。

ラペル3つの種類

・ノッチドラペル

ビジネススーツで見かけることが多い菱形のラペルデザインです。
ピークドラペルと比較すると少しカジュアルな印象になります。
・ピークドラペル

ラペルの先端が上を向いていて、
ピーク(剣)のように尖ったデザインになっています。
フォーマルなスーツに多く、仕事向きではありません。
・段返り

3つボタンのジャケットで、フロントボタンの一番上が隠れるように
ラペルが反り返ったデザインのことです。
段返りのデザインの時は、一番上と一番下のボタンをしないのがマナーと言われています。

フロントダーツ

ジャケットのウエストをシェイプするために入れたつまみ縫いのことです。
前身頃の胸部からポケットにかけて垂直方向に伸びています。
スーツのデザインによってはあるものとないものがあります。

フロントボタン

ジャケットの前身頃を留める大事なボタンのことです。
ボタンには水牛の角や骨、貝を使用することがあります。
ボタンを留める際にはマナーがあり、2つボタンは上一つを留める。
座る時に外すのがビジネスマナーです。
ちなみにボタンを留めた際、スーツの背に横線が入るのはサイズが合っていない証拠です。

ポケット

ジャケットには基本的にポケットが付きます、
しかし、通常の衣服とちがうのはスーツのポケットにはモノを入れないことをお伝えしています。
理由はポケットにモノを入れると、折角の綺麗なシルエットが崩れてしまうからです。
あくまで飾りの一種とイメージをして頂ければと思います。

腰ポケット5つの種類

・フラップポケット

トラディショナルスーツの定番で、ポケットに蓋のついたデザインです。
ホコリや雨が入らないように設計されています。

・チェンジポケット

腰ポケットの上にもう一つ付く、小さなポケットのことです。
目線が上にいき、身長が高く見える効果あります。
昔はこのポケットに小銭を入れていたので、チェンジという名が付きました。

・玉縁ポケット

上下が縁取られたフラップのない、もっともフォーマルなデザインです。
他にもダブルパイピングポケットとも呼ばれます。

・パッチポケット

外側から別布を貼り付けたようなデザインです。
腰ポケットの中でもっともカジュアルで、ブレザーなどによく使われます。
・スラントポケット

ポケットが斜めになっているデザインです。
シャープなシルエットになる効果があります。
乗馬をする際にポケットに手を入れやすいようにするというルーツを持っています。

フロントカット

ジャケットの前身頃のカッティングラインのことです。
ラウンドカットが一般的で、ダブル仕立てのスーツはスクエアカットが一般的です。
他にも腰から斜めに丸くカットした、カッタウェイもあります。

スーツジャケット BACK

ジャケット 後ろ 説明

ショルダーライン

ジャケットの肩線のことです。
ジャケットを着用した際のシルエットを決めるとても大事な箇所です。
いわゆるカラーへと続く、のぼりのラインがジャケットの良さを決定する判断材料の一つです。

ショルダー

ジャケットの着心地を左右する大事なパーツです。
ショルダーはパッドの有無、縫製などでさまざまなバリエーションになります。

ショルダー3つの種類

・ナチュラルショルダー

アメリカントラッドに多いタイプです。
パッドがない、もしくは薄いパッドで自然なシルエットが特徴的なデザインです。

・コンケープドショルダー

全体的に湾曲していて、肩の先が反り上がる特徴があります。
モードブランドによくみられるデザインです。

・マニカカミーチャ

肩のパッドが無く、シャツみたいに動きやすいのが特徴です。
クラシコイタリアに多いデザインで、最近では私服ジャケットしてカジュアルに着こなす人が多いです。

ベント

ジャケットの背の裾部分にある切れ込みのことです。
デザインによって運動性を左右するもの、後姿に見え方が変わるものなど様々です。
必ず購入前にテーラーに確認しましょう。

ベント5つの種類

・センターベント

真ん中に入る1本の切れ込みのデザインです。
運動性に優れていて、ビジネススーツでは一番見かける形です。

・サイドベンツ

背の左右に2本の切れ込みがあるデザインです。
英国調のスーツに多く、エレガントなスタイルが特徴的です。

騎士が馬上で剣を抜きやすいようにと設計されたデザインで、現代ではポケットに手がいれやすいと評判があります。

・ノーベント

背中に切れ目のないデザインです。
主に冠婚葬祭で着用するフォーマルスーツに使用されます。
効果として腰回りをすっきり見せることができますが、長時間座る場合は腰回りに横線が出来易いのでフロントボタンを空け忘れないようにしてください。

・フックベント

センターベントと同じ真ん中に切れ目が入るデザインですが、開きがカギ(フック)形になっているのが特徴です。
モーニングコートやアイビースタイルに多いですが、通常のビジネススーツに合わせても一風変わった後ろ姿を演出できます。

バックシーム

ジャケットの後ろ身頃の真ん中にある真っ直ぐな縫い線のことです。
現在のタイトなジャケットのシルエットを出すため、つまんで縫うことがあります。
またの名を、背負い線とも呼びます。

 

 

これだけのパーツをすぐに覚えるのは正直難しいです。
自分の気になる箇所や、質問したいパーツだけに目星をつけていれば良いと思います!
むしろ、全て覚えていたらテーラーがびっくりすると思います。
びっくりした顔を楽しむのもありかもしれませんね!(笑)
今回の話が素敵な一着を仕立てるお手伝いになれたら、嬉しいです。
ではでは。