スーツ用語集

袖ボタンのこだわり『本切羽(本開き)』とは?【オーダースーツのオシャレポイント】

本開き(本切羽)

本切羽(本開き)とは?【オーダースーツのオシャレポイント】

本切羽(本開き)とは、袖ボタンが開け閉めできる形状のことです。

スーツにこだわりを持つ方に人気の形状であり、初めてオーダースーツを作られる方にも、大変人気のオプションとなっております。

このページでは、その「本開き(本切羽)」の着こなしからポイントまで、画像付きで紹介させていただきます(^^)

本切羽(本開き)とは?

本開き(本切羽)

本開き(本切羽)

本切羽は、上記の画像のように、「スーツの袖が、ボタンによって開け閉めできる形状」のことです。

一般的な既製品のスーツでは、多くの場合、開け閉めはできず、事実上は、糸でくくりつけただけの飾りのボタンです。

あまり意識してみる部分でもないですが、いざ自分のスーツを見てみると、たいていの方がボタンがはずれないと思います。

 

既製品が本切羽ではない理由

既製品のスーツでは、本切羽のものを見かけることはあまり多くありません。
そのように開け閉めできない事実上のかざりである袖ボタンを、「開き見せ」「切羽なし」などといいます。

例えば袖の長さを短くしたり、袖口を狭くしたりというような補正をするときに、本切羽であると、ボタンホールがあるため、補正できる長さに限界が出てきてしまいます。そのため、この本切羽は、オーダースーツだからこそできる、こだわりのデザインの一つとなっています。

 

本切羽の誕生

ジャケットに袖ボタンを付けたのは、フランスの皇帝ともいわれる、ナポレオンであったといわれており、
彼は、袖で鼻水をジャケットの袖で拭くことができないように、袖にボタンを付けたといわれています。

すなわち、袖ボタンをはずせる必要はありませんでした。

そんな中、本切羽は「医者の世界から生まれた」と言われています。

昔、ヨーロッパでは、ジャケットは上着、シャツは下着という考えが強いため、
ジャケットは脱ぐのは失礼にあたり、常に着用するのが一般的でしたが、
医者が手術をする際に、どうしても袖をまくらなければならない場面がありました。

そのような例外に対応するために、ジャケットの袖ボタンを開け閉めできるようにすることで、
袖まくりをできるようにしたのが、本切羽の始まりと言われています。

なので、本切羽は別名、「ドクタースタイル」ともいわれることがあります。

 

 

本切羽(本開き)の着こなし方

その本切羽(本開き)の着こなしかたについて見ていきましょう。

スーツを本切羽にすることで、さりげないおしゃれを楽しむことができます。

 

第一ボタンをはずす

本切羽(本開き)の着こなしかたとして、
「あえて第一ボタンをはずす」という方法がおそらくもっとも有名です。

これにより、袖口にスキを作り、こなれ感を出すことができます。

これはボタンをはずせない既製品ではできない、オーダーならではの着こなしとなっております。

 

 

カフスをより見せやすくする

ジャケットを本切羽(本開き)にし、袖ボタンを上記のように1~2つ外して袖口が広げることで、「シャツのボタンをあえて見せやすくする」という着こなしも可能です。

 

 

袖をまくる

これは、スーツにおいては微妙ですが、「シャツごと袖をまくる」という着こなしも可能です。

やり方としては、ジャケット、シャツともに袖ボタンをはずし、ジャケットごと袖をまくります。

本切羽の誕生となった、医者を彷彿とさせるきこなしであり、カジュアルなジャケパンスタイルなどにおすすめです。

 

ボタンホールの色を変える

「本切羽(本開き)と併せて、ボタンホールの糸の色を変える」というデザインもオススメです。
こうすることで、本切羽に加え、さりげないワンポイントでのおしゃれ感をだすことが可能です。

 

 

本切羽(本開き)がオススメの理由

また、本切羽・本開きの特徴・メリットとして、「わかる人にはわかる」ことがあげられます。

ビジネスマンやスーツが好きな方は、相手がどのようなスーツを着用しているかをよく見ており、
「高級スーツ=本切羽」という考えを持つ方もおり、本切羽にするだけで、スーツのレベルを上げることも可能です。
※既製品の本切羽もないわけではありません。

さらに、「本切羽を導入しても、デザイン的になんのデメリットもない」こともポイントです。
やっぱり「本切羽にしなければよかった」ということはなく、初めてオーダースーツに挑戦されるかたにも、非常におすすめのディテールとなっております。

 

ぜひ、オーダースーツをお仕立ての際に、ご検討いただきたいデザインとなっておりますので、参考にしていただければ幸いです(^^)