スーツ着用時のマナー

ジャケットとスーツの上着についてわかりやすく解説

「スーツの上着で、ジャケパンスタイルはできないか・・・」そのように考えたことはないでしょうか。結論からいうと、スーツの上着とジャケパンのジャケットは分けた方が無難です。今回は、ジャケットと違いについて解説していきます。

スーツとジャケットに明確な違いの定義はない

現在の日本では、ジャケパンスタイルに代表できるカジュアルなジャケットを、テーラードジャケットと呼ぶことが多いです。しかし、欧米では、そういったジャケットも、スーツの上着も「テーラードジャケット」と呼びます。元々スーツの上着もジャケットも同じものでした。時代の変化と共に、スーツと同じ形のジャケットは、より気軽に着用される機会がふえ、カジュアルに進歩して行ったのです。

そのため、明確に「これは〇〇だからスーツだ」というような見分けかたは存在しません。デザインや生地の風合いなどから総合的に判断するしかないのです。ここでは「こういう場合はジャケットの場合が多い」というような簡易的な見方を紹介します。

ジャケットはカジュアルな生地が使われることが多い

スーツとジャケットの1つ目の違いは「生地の種類」です。スーツに使用される生地の多くは、一般的にウーステッドと呼ばれる物が使用されており、艶や光沢感がある物が多いです。スーツ以外には使用されることがあまりない生地の上着を、ジャケットのように着用すると違和感が出てしまうため気をつけましょう。

一方ジャケットは、麺や麻、フランネルやツイードなどのカジュアルな素材や起毛素材が使用されています。

ただ、フランネルのスーツも存在するほか、この2つに明確な差がある訳ではないため、デザインや生地の雰囲気で「ジャケットやスーツとして着用できるか」を判断することになります。

ジャケットの方が着丈が短い

スーツの上着とジャケットに大差はないものの、ジャケットの方が着丈を短めに作られることが多いです。スーツの場合、お尻が隠れるくらいが基本的な適性の長さですが、ジャケットはそれよりお短めに作り爽快な雰囲気を出しやすくしています。

オーダージャケットを作る際や、スポーティな雰囲気を出したいときには、着丈を少し短めに作るようにしましょう。

ジャケットには肩パットがないことが多い

スーツの上着には、上着を着用した状態で、胸を貼った美しいシルエットを作るために、両肩に肩パットが入れられていることが多いです。昔仕立て屋が作るスーツには伝統的に肩パットが使用されていたことから、その名残でスーツには肩パットが入っています。

一方ジャケットには、堅苦しさを減らし気軽に着用できるように、肩パッドが入れられていないことが多いです。

なお、肩パッドが入っていないスーツ(アンコン)や、肩パッドが入っているジャケットもあります。

ジャケットは外付けのポケットが使用されることが多い

スーツの上着の胸ポケットや腰ポケットには、表面の記事に切れ込みを入れたポケットが使用されていることが多いです。一方、ジャケットのポケットは、外側から縫い付けられたポケットが採用されることが多いです。

また、ジャケットのパッチポケットにはフラップ(上蓋)がついていない場合がほとんどです。