スーツの生地ブランドに関して

あなたにはどっちが似合う?イギリス・イタリアスーツの比較

イギリス、イタリアともにスーツの歴史はとても深く、ファッション大国として有名なのはご存知かと思います。中でもゼニア、ダンヒルはとても人気の高い生地ブランドです。多くの有名生地商、生地メーカーがあるなかで、なぜこんなにも人気があるのか、生地の特徴や歴史を振り返りながら、ご自身が生地を選ぶ際に活用しましょう!

僕も知ってからは更に用途やイメージに合わせて購入することができるようになりました!オーダースーツの楽しみは生地を選ぶことからですから、ワクワクをこの話で倍増させましょう!!

イギリス生地の性能

イギリスの風景

イギリスの生地は一般的にしっかりと織られていて、耐久性があり、シワになりにくく、復元力に優れています。クラシックな色柄が多く、肌触りには若干の硬さがあり、やや重たい印象を与えています。
これは縦横双糸で織られて目付けがしっかりしているためです。同じsuper150’sの中でもシワになりにくいです!

Dunhill~ダンヒル~とは

DUNHILL ダンヒル

創業1893年、イギリスで創業。Alfred Dunhill(アルフレッド・ダンヒル)は馬術用製品の製造卸売りが始まりでした。
その後自動車の発達で自動車旅行用品へと移り変わっていきます。紳士が必要としていた装身具から必需品まで取り揃えて発展したため、生地よりも男性装身具のほうを思い浮かぶ人が多いかもしれません。
本社もイギリスで、生地を生産する工場は保有していませんが、世界中から選りすぐりの素材を取り寄せています。ちなみにワールドカップ日本代表男子のオフィシャルスーツは16年間連続でダンヒルが制作しています。

ダンヒルの生地特徴

DUNHILL ダンヒル

ラグジュアリーブランドとして君臨するダンヒルはその名に恥じない生地を提供しています。かの有名なエルメネジルド・ゼニア、ロロピアーナと並ぶ高級テーラーが使用するブランドです。
スーツスタイルは英国らしく、ブリディッシュ・スタイルでスリーピースが似合います。

ダンヒルの生地種類

Super120’s、Super110’sなどの細いウールにモヘア(山羊)の毛を混ぜたものがラインナップされています。日本の高温多湿な夏にもオススメの素材です。さらっとしてべたつかず、シワになりにくいのが特徴です。
長い間同じ体勢でいてシワになったとしても、自ら元に戻る復元力があります。

Clissold~クリソルド~とは

Clissold クリソルド

1910年にヘンリー・クリソルドによってクレックヒートンで毛織物製造業を創設。のちの1940年ロバートレイドローがスコットランドの北にツイード生地を織る紡績を開始し、1989年にクリソルドグループに加わりました。クリソルドの生地は全てイギリスで織られています。
イギリスの生地は最高の品質として世界中で認識されているため、現在では日本、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、中東、東南アジア、中国、韓国といった世界各国にクリソルドは出荷しています。2002年にはワールドカップのイングランド代表チームの公式スーツとして使用されました。

クリソルドの生地特徴

Clissold クリソルド

クリソルドの生地は、選りすぐられた最高品質ウールの糸を使用したツヤと光沢が特徴です。スーツとして仕立てると、柔らかくきめの細かいふっくらした風合いが優しく身体を包み込む着心地です。
スーツの良い要素を全て兼ね備えていて、他のブランドではなかなか見つけることのできない細番手があります。ゼニアやダンヒルなどの有名ブランドでこのクオリティーを探すとかなりの価格になります。
ブランドに固執せずクリソルドを購入した人は、ほとんどがそのクオリティーに圧倒されファンになっています。

クリソルドの生地の種類

Super160’sは超極細の繊維で織られているだけあり、なめらかで柔らかくとても着心地の良い生地です。双糸×双糸で織られているので、シワになりにくいのも特徴です。毎日スーツを着る方にはオススメしません。月に1回か2回の勝負どこで着る事ができる人にオススメです。
また、Super100’sウールではイギリスならではのしっかりしたつくりが特徴です。高価なウールを贅沢に使ったソフトな肌触りを楽しめます。

イタリア生地の性能

イタリアの街並み

イタリア生地は縦横単糸で織られているものが多いです。色柄、デザインにもイタリアファッションの影響があり、艶としなやかさがあり、肌触りが滑らかです。
出来栄えが軽やかではありますが、縦横単糸で織っている分、耐久性が低く、デリケートでシワになりやすいです。また、復元力も劣ります。格好良さは断然、イタリア生地ですね!

Ermenegildo Zegna~エルメネジルド・ゼニア~とは

ゼニア 生地

創業1910年、北イタリアでテキスタイルメーカーとして始まりました。父アンジェロ・ゼニアの家業を受け継いだグループ創業者がエルメネジルドゼニアです。
1930年に最新の英国縫製紡績機による毛織物の生産を始めます。品質が高い毛織物に、自分のトレードマークでイタリア国内、さらに国際マーケットへ進出しました。

ゼニアのデザインのポリシーは「最高の素材は優れたデザインを、最高のデザインは優れた素材を求める」となっていて、世界で高い評価を得ています。また、業界で初のブランドネームを織り込んで品質を保証したのはゼニアです。創業100年を超えたゼニアは今でもなお、多くのファンに愛されています。

ゼニアの生地特徴

エルメネジルド・ゼニア 生地

ゼニアは高品質で希少なウールのみを買付けています。更にこだわった研究により、ゼニア独特の手触りを実現しています。最高級スーツは各国の元首はもとより、名のある実業家や多くのエグゼクティブの顧客が多いです。世界のハイブランドの生地利用もあり、ゼニア社の生地の人気が高くなっているのです。

ゼニアの生地種類

「TROFEO(トロフェオ)」
ゼニア社独自のトロフィー制度によって買い付けられた、スーパーファインメリノウール(130’s)の素材のことです。風合いはソフトで程よい光沢感が特徴です。
一度この生地で仕上げたスーツを着ると、それまでの既製スーツに重さと硬さの違和感を感じるという声が上がる程です。

「TRAVELLER(トラベラー)」
名前から連想できるように、出張などで出来たシワもハンガーにかけて一晩置くだけで、回復し易いのが特徴です。シルク混10%のトラベラーもあり、光沢感が加わった美しい生地となります。

Loro Piana~ロロ・ピアーナ~とは

ロロピアーナ 生地 イタリア

1924年に創立したのが始まりで、高級カシミア・高級ウールのトップメーカーです。ロロピアーナは糸の原料である繊維の生産から紡績、織りあがった生地をスーツやシャツへと製品化する自社一貫制のSPAというスタイルをとっています。
大量生産による多売剥離を世界中が行う中、ロロピアーナだけはそれを行うず、最高級の製品を世に作り出していました。そこが現代でも特別な地位を築いている理由の一つです。日本の多くのファンを魅了している生地ブランドも一つです。

ロロピアーナの生地特徴

ロロピアーナ 生地

ロロピアーナの生地は風合いも柔らかく、男性的というより女性的な生地と言われています。女性が着る意味ではなく、生地や柄が高貴で色気があるという意味です。仕立て後もロロピアーナ独特の雰囲気を出してくれます。
ロロピアーナのポリシーである、「最高級の製品のみを保証」はメリノウールSuper100’sを総生産の30%~40%も購入していることから再確認ができます。

ロロピアーナの生地の種類

「TASMANIAN(タスマニアン)」
ロロの代表商品です。Super150’sを使用していて、完成度が非常に高く、ファンを魅了してやまない生地です。希少なメリノウールを贅沢に使い、大変細い糸で仕上げています。吸湿性も優れていて、持続的な発散作用で水分を外に放出することができます。
また、浸透性もよく生地の高級感を持続することが可能です。オールシーズンで風合い、光沢、高級感を楽しめるスーツとなっています。

また、WISH Super170’s(ウィッシュスーパー170’s)はオーストラリアのファインメリノウールの中でも、15マイクロンという細さで織り上げられています。カシミアのような手触りと着心地の軽さが特徴で、オールシーズン着用が可能なスーツです。

イギリスとイタリアを比べてみて

 

イタリア イギリス比較

イギリスはベーシックな色合いでシワになりにくい、イタリアは色合い豊富で遊び心がありオシャレに着こなしやすい。この二点が一番の際立つポイントかもしれません。
もちろんそれだけとは言い切れないですが、ご自身が購入する際にこのポイントを押さえておくだけでも、生地を選ぶのがスムーズにいきそうですよね!オーダースーツは生地選びから楽しむことができる買い物です。
購入の際には目いっぱい楽しめるようにしましょうね!