スーツを仕立てる際にどうしても目が行くのはジャケットになると思いますが、ズボンも細部にこだわることで全体の印象に大きく影響します。
例えば、脚をより長く見せられたり、身長を高く見せたり、既製品では表現できない美しいフォルムを演出することができます。
今回はオーダースーツを仕立てる際に意識すべきポイントを解説いたします。
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目次
- 最も大事にすべき点はサイズ感
- サイズ合わせの基準はヒップ
- 裾へのこだわり
- まとめ
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1.最も大事にすべき点はサイズ感
スーツを着る上で最も優先すべき点はサイズ感です。
それはズボンにおいてももちろん変わりません。
なぜならいくら良い生地や自分の気に入った生地を選んだり、自分の好みのデザインに仕立て上げたとしても、サイズが大きすぎてダボっとしていたり、逆に小さすぎてピチピチになってしまうと他人から見た時に、一気に格好悪く見られてしまうからです。
自分の体にフィットしたサイズのスーツを着るようにしましょう。
スポーツ選手などは特に、筋肉のつき方などからなかなか既製品のスーツが合わないことが多いと思います。
どこかの部位に合わせるとその他の部位のサイズが合わないといったことを耳にすることや、街で歩いているとせっかく格好良い体をしているのに、サイズがあってないが故に全体のフォルムが不恰好に見えてしまう人を目にすることがあります。
そういった面でも私たちは、既製品では合わせられない部分まで細かく、その人の体にフィットするスーツをお作りしています。
適切なサイズとは、着用した時にどこにもシワが寄っておらず、ヒップラインが綺麗に見える状態のことを言います。
2.サイズ合わせの基準はヒップ
ズボンのサイズは、「ヒップ→太もも→ウエスト→裾」の順で合わせていきます。
他の部分に比べ後から調整がしにくいため、ヒップを1番最初の基準として合わせていきます。
既製品ですと特にウエストを基準に考えると、ヒップがダボついてしまいます。
その反対に、ピチピチで食い込んでしまうのも見苦しいです。
ヒップは自分では見えない部分ではありますが、その分周囲の人に見られていると思い、気にかけるべきポイントです。
後ろ姿が格好良くなるように、ちょうど良いサイズに合わせましょう。
次に合わせるべきなのが、太ももです。
スポーツをされている方などで、太ももが太い方は特に、ある程度の余裕がないと生地がパツパツになり、シワの原因になります。
かといって既製品で選ぼうとすると余分なゆとりができてしまい、不恰好になりがちです。
このように既製品では対応できない面をカバーし、お客様の希望通りに仕立てられるのがオーダーの強みです。
ヒップと太ももが適切にサイジングできれば、あとは調整可能なウエストと裾になります。
まずウエストは小さすぎると、ポケットが常に開いた状態になってしまいます。
指が2本程度入るように合わせ、座った際にも苦しくないよう余裕を持たせます。
裾に関しては次の項目でご説明いたします。
3.裾へのこだわり
裾をどのように仕立てるか、2点考えるポイントがあります。
1つはシングルにするか、ダブルにするか。
裾の折り返しがないものがシングル、折り返しているものがダブルとなります。
どちらを選択してもルール違反ではありませんが、ここもこだわっていただきたいポイントです。
フォーマルな場面にはシングルが合います。
タキシードなどは、後方にかけて長くなるように傾斜のついたモーニングカットでシングルとなります。
日常的に着るスーツの場合はダブルを選択するのがお勧めです。
そうすることで、重心が下がり、バランスが取れて見えます。
ダブルの幅は4cm〜4.5cmが一般的で、トレンドの影響を受けにくいです。
もう1つがクッションです。
クッションとはズボンの裾が靴に当たった際にできるたわみのことです。
たわみの度合いによってワンクッション、ハーフクッション、ノークッションという言い方をし、重厚感を調整することができます。
スーツでダブルの裾を選んでいる場合、そこにさらにクッションをつけると、重たすぎる印象になってしまうため、ハーフクッション、もしくはたわみが一切ないノークッションが適しています。
最近は特に若い世代で、丈を極端に短くして靴下で足元のおしゃれを楽しむスタイルが流行っていますが、クラシックなスーツスタイルを目指すならば、トレンドに左右されないハーフクッションか、ノークッションが最適だと言えます。
4.まとめ
オーダースーツを作る際、多くの人がジャケットばかりにこだわりを詰め込んでしまいがちだと思いますが、ズボンの細部にもこだわることで、全体の印象がさらにより良くなります。
スーツを着る際に1番大事にしていただきたい、サイズ感。
お客様一人一人の体型にフィットさせ、綺麗なフォルムを演出できるよう採寸させていただきます。
また、あまり見えない部分ではありますが、裾の部分をシングルにするのかダブルにするのか、クッションをどの程度作るか、そこまでこだわることで、最高の一着になること間違なしです。
その最高の一着をお作りできるよう、私たちでアドバイスさせていただきながら、お客様にご納得いただけるスーツを一緒に作らせていただきます。
ご興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。