スーツスタイルへの評価は細部へのこだわりが何よりも重要になってきます。
一つ一つのポイントの積み重ねで評価されるので、つまり掛け算です。
一つでもマイナスや0があれば全てが台無しになってしまいます。
今回はワイシャツの豆知識として、あまり知られていない部分である「前立て」について解説いたします。
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目次
1.前立てとは
2.表前立て
3.裏前立て
4.まとめ
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1.前立てとは
まず、前立てとはシャツのボタンホールのある縦の帯状の部分のことを指します。
装飾性と補強を目的として前立ては付いています。
この前立ては表前立て(プラケットフロント)と裏前立て(フレンチフロント)の2種類に分けられ、それぞれ適した場面や着こなし方が違ってきます。
また、生地の素材によってもどちらが適しているかというポイントも変わってくるのでこの後解説いたします。
2.表前立て(プラケットフロント)
表前立てとは写真のように、前立てがシャツの上前(シャツを閉じた時に上側になる方)の表側に付いているもののことを指します。
同じ生地の別布を貼り合わせて作られている場合もありますが、今は生地を折り返して作られていることが多いです。
裏前立てに比べカジュアルな印象が強くなるのがこの表前立てです。
また、イギリス製のシャツに表前立てが多いとされています。
元々当て布として縫製されていた背景があり、質実剛健を美徳とするイギリスのファッションに合うのかもしれません。
この表前立てのシャツは、オックスフォードのような凹凸のある素材の生地で、カジュアルさを演出したい場面に適したシャツとなります。
ジャケットとパンツといったスタイルの場合はこちらの表前立てのシャツが最適です。
3.裏前立て(フレンチフロント)
次に裏前立てについてです。
こちらは先程の表前立てと違い、上前の裏側の見えない部分に前立てが付いているスタイルになります。
スッキリした印象で生地の美しさを強調することができます。
先程の表前立てに対して、イタリア製のシャツに多いのが裏前立てのシャツになります。
生地のドレープ(柔らかさや自然にできるひだのこと)を重視するイタリアのスーツスタイルにおいて、生地本来の美しさをアピールしやすいためだと考えられます。
この裏前立てのシャツは、ブロードのように柔らかく光沢や艶のある素材の生地に合い、フォーマルな場面に適しています。
4.まとめ
今回はワイシャツの前立てについて解説いたしました。
カジュアルな場面には表前立て、フォーマルな場面には裏前立てを。
また、硬めの生地でパリッと見せたい時は表前立て、生地の柔らかさを見せたい時は裏前立て。
このように場面やシャツの生地によってどちらを選ぶか参考にしてみてください。
ただ実際のところ、前立てはネクタイをしてしまえば見えない部分でもあります。
しかし、このような細部へのこだわりが、あなたのスーツスタイルをさらに洗練されたものにします。
このような細かい知識を持っていることで、周りとの着こなし方の差をつけられます。
Emoneではお客様のこだわりに合わせたオーダーシャツもお作りできます。
ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。