スーツの機能

納得のいかないスーツは知識不足のせい?時代毎のスーツデザイン17

スーツのデザインを詳しく知らずに購入、あれ?思っていたのと違う!!
これはお客様から聞くあるある話です。
自分が欲しいスーツデザインのイメージと伝えたデザインはあっていますか?
一番は心を読み取ってくれるテーラーなら、話は早いのですが残念なことに読心術までは習得できてません。修行に励みます…><

それよりもスムーズにイメージを伝える為、自分がどのスーツの型をイメージしているのかを正確に伝えることが納得のいく一着への近道になります。

会社の飲み会での小ネタにも使えると思うので、スーツを着てる飲み会には是非、酒の肴として活用してください!

1910年代 スーツデザイン

ラー・ラー・スーツ

スポーツ観戦用の服として、1912年に流行しました。
アイビー系のデザインで、丈の長いジャケットに腰回りをゆったりさせ、袖口にかけて急速にすぼまったシルエットのスタイルです。
全体的にゆったりとしたシルエットでいわゆるオーバー・サイズド・スーツです。

ナンバー・ワン・サック・スーツ

I型スーツとも呼ばれるナンバーワンスーツ。
1918年に流行、アメリカの仕事着の基本型と言われています。

ジャズ・スーツ

1919年に流行したスーツスタイルです。
胸から腰はタイト、腰から裾はフレアーを持たせたデザインです。
とても丈の長いナチュラルショルダーのジャケットに、裾丈の短いスラックスを合わせるスタイルです。

1930年から1940年代

イングリッシュ・ドレープ

胸部や背中にゆるやかなドレープができるようにあえて、ゆとりを持たせて優美に魅せるスタイルです。
肩幅が広く幅広の衿が特徴です。
丈の短いベストを合わせて、股の深いパンツを合わせます。

1930年に流行。実は近衛将校の胸のドレープがをヒントにロンドンの仕立て屋が考案したスタイルと言われています。
別名、イングリッシュブレードとも呼びます。

ズート・スーツ

1940年代に流行ったスーツスタイルです。
膝に届く程の丈の長さに胸まで届きハイウエストスラックスを合わせます。
とても派手でラメ入りのストライプ、赤などの目立つ色合いが特徴でもあります。
人目を惹きたい当時の不良が着ていて、多くの話題を呼び1981年にロンドンでも再流行しました。

ボールド・ルック

1948年に流行したデザインでアメリカとイギリスで呼び方が違い、アメリカではビクター・マチュア・ルック。
イギリスはアメリカン・スーツと呼んでいます。
広い肩幅、広いラペルで一番特徴的なのは強く絞ったウエストのジャケットです。
全体的にがっしりした印象のスーツスタイルです。

1950年代

ヨーロピアン・モデル

フランスやイタリアといったデザイナーが手掛けたデザインで、各国で特徴がありましたが、現在は個性が強くこれといった定義はありません。
数年で変化するので去年言われていたスタイルが、もう違うといったこともかなりあります。
中でも多いのデザインは肩幅がゆったりしていて、ドレッシーな印象のシルエットです。

スリー・ティー・ルック

スリーティーとは3つのTという意味で、Tall・Thin・Trimの3つのTからきています。
訳すとTallは背が高く、Thinは細く、Trimは小きれいに整った、となります。
他にもミスター・ティー・ルックとも呼び、1950年代に流行しました。
ボールドルックに比べると全体的にすっきりとしたスタイルが特徴です。

ブイ・スタイル

日本ではフランス型とも呼ばれるスーツスタイルです。
丸いドロップショルダーに、肩線から裾に向かって細く傾斜するラインと着丈が短いジャケットに細いパンツを合わせるのが特徴です。
逆三角形のシルエットがVの由来でもあります。
1950年にパリで流行、有名なアイビースタイルと2大先鋭スタイルと呼ばれていました。

アイビー・リーグ・モデル

ピュア・アイビーとも呼ばれる、スーツスタイルです。
一般的に肩幅の狭いナチュラルショルダー、ウエストのしぼりは無し、細めのノッチドラペル、ステッチはウェルト・シーム、水平の角形のフラップポケット、フックベント、ボタン間隔の広い2つ掛けの3つボタンシングルジャケット、パンツはプリーツのないダブル仕立てといった、細長くストレートなシルエットがアイビーの特徴です。

アメリカのフットボール、アイビーリーグの有名8大学が好んだスタイルから1955年に「アイビー」の名前が広まりました。
また、国際衣服デザイナー協会(IACD)が1963年に「4つの流行型」のひとつとして発表しました。

エクストリーム・アイビー

1955年に流行、アイビースーツのパロディースタイルとしてニューヨークで人気がありました。
ちなみにグリニッジアイビーとも呼ばれていました。

4つボタンのシングルでVゾーンを狭めたジャケットに、細見のパンツを合わせるスタイルです。
袖口にカフスを付けたり、チェンジポケットをつけたりとかなり洒落たデザインになっています。

ジャイビー・アイビー

パロディー・アイビーの一種で、名前のジャイビーはジャズの言葉で、「茶化しアイビー」という意味です。
1958年に流行したスタイルで、エクストリームアイビーの略称です。

アンバサダー・モデル

1958年に流行ったスーツスタイルです。
全体的にゆったりとした雰囲気で、スモールノッチドラペルで肩線が上に反り返ったコンケーブ・ショルダーがこのスタイルの特徴です。

1960年代

アメリカン・コンチネンタル・モデル

別名トランス・アメリカンとも呼ばれる、スーツスタイルです。
1958年に流行し、日本では1960年初めに流行しました。

着丈が短く前カットが大きいラウンドカット、シングルの2つボタンに細見のスラックスがこのスタイルです。
こちらも4つの流行型のひとつで、ここから派生したのがコンポラリーである。

イタリアン・コンチネンタル

1963年に流行った4つの流行型のひとつです。
当時は斬新なスタイルとして、かなりの話題を集めたそうです。

細い衿に大きなカッタウェイ、幅の広いスクエアショルダーでサイドベンツ、スラントポケットにカフス付の袖が特徴的なスーツスタイルです。
着丈が短く、シングル仕立てのパンツを合わて全体的にタイトなシルエットになります。

コンテンポラリー・モデル

日本ではコンポラとも呼ばれる、1960年に流行した型です。
アメリカン・コンチネンタルにアレンジを加えたもので、1つボタンシングルで前ダーツはなく、短い着丈でサイドベンツが特徴のスタイルです。
1963年にIACDが発表した「4つの流行型」です。

アメリカン・ブリディッシュ・モデル

トラディショナルを英国調にアレンジしたスタイルです。
基本的なスタイルは決まっていませんが、フロントダーツが入り、少し絞ったウエストが特徴ではあります。
他にもブリディッシュ・アメリカン・モデルとも呼ぶことがあります。

 

スーツ 年表

いかがでした?
年代ごとに分けると何度か流行が繰り返しているのがわかりますね。
お客様にも流行をお伝えして選んで頂くことは多いですが、一番はご自身の好きなスタイルを選ぶことをオススメします。
お気に入りのスーツに仕立てた時の「ありがとう」を頂きたいので…
その際の参考になればと思います!!