スタッフお勧めのスーツコーディネート

スーツに興味を持ち始めた人限定!着丈で押さえるべき4つのポイント

知っておくべきジャケットの着丈の長さ

今回は、日々のスーツスタイルを気にし始めた人が一番悩む「着丈」についての話です。なぜ悩むのか、理由は着丈の長さが変わるだけでスーツ着用時の見られ方が変わるからです。
短いのは流行りで足が長く見える
着丈が長すぎないのがちょうど良い
こんなことが多くのサイトに書いてあると思います。しかし、この情報だけではあなたの求めているスーツスタイルにはなりません。なぜなら、この情報だけではあまりにも曖昧だからです。

今回の記事を見ればあなたに合う着丈の長さが分かり、イメージ通りの見られ方に近づけます。スーツの着丈の長さに最近興味を持ち始めた人にこそ、読み進めて頂きたい内容です。

スーツの着丈について

スーツ 着丈 どこを指すか

一般的に衣服の着丈とは後ろ襟の下縫い目から、ジャケット裾の先端まで直線で測った数値です。スーツを製作する時は少し違います。後ろ襟の下縫い目からお尻の下部まで直線で測った数値となっています。この数値によってスーツの着丈の長さが決まってきます。
ではなぜお尻の下部まで測る必要があるのか。それは次でお伝えいたします。

なぜお尻の下まで測る必要があるのか

お尻まで採寸するべき

お尻の下まで測る理由はジャケットのデザインが、お尻まで隠れている方が綺麗に見えると職人の間で言われてきたからです。もちろん人の体型によって似合う似合わないはあります。しかし、それが必ず正しい訳ではありません。
用途や着用時の見せ方によって、長さは変えるべきです。最近では流行だからの一言で片づけるプロもいます。私から見れば、説明してもしょうがないと諦めているとしか思えません。
あなたの職場の環境は?あなたの理想の見られ方は?ぼんやりとしたイメージでもあなたが持っておくべきです。

着丈の目安

着丈の目安はどれくらいを短い、もしくはどれくらいを長いと呼ぶのか、これを知らなければあなたがイメージする見られ方には近づきずらいです。なぜなら、自分は長いと思っていても周りからは短いと思われている。なんてことが良くあるからです。
あなたと周りとのギャップを埋める為にも着丈の目安をお教えします。どんな人にも適用できる話なので、確認してみてください。

普通の長さとはどのくらいか?

普通の長さとは、用途や骨格、体付きやズボン丈を考慮せずに数式で出す着丈の長さです。その数式とは「(身長ー23cm)÷2=着丈」です。
例えば身長170cmだとしたら、(170-23)÷2=73.5cmとなります。人によってこれでは長いと感じる人もいますが、これはテーラーが参考にする値です。
ジャケットのデザイン毎にも着丈の長さを変えると、見られ方もガラッと変わります。この話は後ほどさせて頂きます。

短いのはどのくらいを指すのか

短い着丈 スーツ

普通の長さがどのくらいかわかりましたか?では短い着丈はどのくらいの値なのか。それをお教えします。
短い着丈とは「ベルトからお尻の下部までの距離で1/3のお尻が見える短さ」、もしくはそれ以上に短いことを指します。
今あなたの着用しているジャケットはどうですか?もう少し短くしたいと思っているかもしれません。もしくは既に短いジャケットを着用しているかもしれません。
周囲に聞くか鏡でジャケットの後ろ身頃を確認してみましょう。そこであなたは自分の着丈の長さを知ることができます。

長い着丈とは知るには

ここまで普通の長さと短めの目安をお話しました。もちろん長い着丈にも目安はあります。ジャケットのデザインによって、長い方が綺麗なシルエットに見える物もあるので必ず確認してください。

長めとは「お尻の下部より長い着丈」のことを指します。少し前にお話をした、身長ー23cm÷2が長めの目安と同じ長さだという方もいると思います。その場合は、長めの目安を参考にしてください。
なぜなら、パンツの履く位置が腰骨の上なのか、それとも腰骨の下なのかで股上が変わってくるので数式よりも実寸の方が正確だからです。もしあなたが理想の着丈の長さを知りたいのであれば、ご自身でも一度採寸してみるべきです。

20代~40代を仕立て、その数値から導いた着丈の長さ

<数式の画像>

私が日頃20代~40代のお客様の仕立てをさせて頂き、導いた平均的な着丈の長さをお伝えします。その長さとは「(身長ー23cm)÷2-3cm」です。途中までは先ほどお話した数式と同じですが、最後のー3cmがポイントです。
これがスタイリッシュで一番好まれている着丈の長さでした。ちなみにこれは175cm以下の人に限ります。
では175cm以上の人は?その場合はー3cmのところをー5cmにします。するとお尻が隠れすぎないスッキリしたシルエットになります。

もちろん人によって要望は違います。あくまでこれは一番多い人の着丈平均を出したものです。大事なのは、「スーツを着てどんな見られ方でいたいのか」これです。

スーツデザインによる長さの目安

さて、先ほど「スーツデザインによって長さも変わる」とお伝えしたのを覚えているでしょうか?その内容通り着丈の長さはスーツのデザインによって変えるべきです。
なぜなら、そのデザインを選んだということは、無意識にあなたは「こんな風に見られたい」と思って選んでいるからです。仮にあなたのイメージする「見られ方」と周りが感じるあなたの「見え方」が違うとしたら、それは避けたいですよね。
ここでは着丈とデザインの関係の中でも一番重要な「ベント」のデザインについてお話します。ベントは着用時における「後ろからの見られ方」を決定する重要なデザインです。
*ベントとは、ジャケットの後ろ身頃の切れ込みのことです
顧客や同僚からの勤務中の見られ方を気にし始めた人は確認してみることをオススメします。

センターベント

センターベント スーツ 画像

センターベントとは後ろ身頃の真ん中で縦に切れ目のあるデザインのことです。このデザインの場合、あなたが20代なのであれば短めより更に短いジャケットでも綺麗に着用することができます。
理由はお尻の筋肉にまだ力があるので、お尻まで隠れていなくてもキレイなシルエットに見えるからです。お尻に筋肉がない状態で短い着丈のジャケットを羽織ると、下がったヒップラインが目立ちます。
あなたがこれに当てはまるのであれば、着丈はお尻が隠れる程度にするのをオススメします。そうすれば大切な商談の際でも、相手から信頼を勝ち取りやすいかもしれません。

センターベントだけの特権

センターベントは私服との相性がとても良いです。なので、20代~40代の方でジャケットスタイルの私服が多い方は仕事と兼用できるように着丈を短くするのも問題ないです。
私服での着こなしは短い方がオシャレに見えます。しかもセーターやTシャツとも合わせやすくなります。もしジャケットだけを選ぶ際には、センターベントの特権を活用してみてはいかがでしょうか。

サイドベンツ

サイドベント スーツ 画像

サイドベンツとは名前の通り、後ろ身頃の両端に切れ目のあるデザインのことです。エレガントな演出ができる反面、注意が必要なデザインでもあります。
それは、お尻が隠れていないとその効果が半減してしまうことです。サイドベンツはお尻が隠れる、もしくは少し見える程度の着丈が魅力を引き出します。短い着丈にすればスマートに見えるかもしれません。しかし、エレガントな印象にはなりずらいのです。
もしあなたがサイドベンツに興味を持つなら、必ずどんな見られ方をしたいか一度考えてみることをオススメします。一度考えて選んだのであれば、他のスーツよりも格段に素敵なあなただけのスーツになります。

ノーベント

ノーベントはここまで紹介したセンター、サイドと決定的な違いがあります。それは「切れ目が無い」デザインのジャケットなのです。
これにより、とてもスッキリした印象を持たせることができます。ダブルスーツに使用されていることが一番多いです。
*ダブルスーツとは、ジャケットの前身頃を重ね合わせたデザインのこと

もしあなたがダブルスーツを選び、ダボッとした印象を解消させたい場合は着丈を短めにするべきです。これによりダブル特有の昔ながらのイメージを解消できます。しかも、ダブルスーツは細い人に比べて体付きが良い程似合います。選ぶ時の参考になれば幸いです。

長さによる見られ方

ここまで読み進めて頂いたあなたは着丈の長さについて、かなり理解していると思います。そんなあなたにやっとできるお話があります。それは「あなたがイメージする見られ方」にするにはどうすれば良いかです。
これを見ればあなたに合う着丈の長さだけでなく、あなたがイメージする見られ方はどれくらいの長さにすれば良いかを知ることができます。是非確認してみてください。

着丈を短めにした時の見られ方

あなたがもし短い着丈を選んだのであれば、2つの見られ方があります。

1つ目は「足が長く見える

これは着丈が短くなるとスラックスの見える部分が多くなり、足が長く見える効果があるからです。しかし、お尻が半分以上出てしまう短さには注意が必要です。なぜなら、短いのが似合うのはお尻が小さいかヒップが引き締まっている人のみだからです。
では似合わないのであれば諦めるべきか。いえ、実は似合う方法があります。それは、チノパンと合わせることです。ジャケパンと呼ばれていて、ジャケットとチノパンを合わせた着こなしのことです。
チノパンの効果によりお尻を引き締めたように見せ、短いジャケットと合わせることができるのです。

2つ目は「カジュアルに見える
ジャケパンスタイル スーツ 

カジュアルに見えると、印象を和らげることができます。
例えば、あなたが役員もしくは会社の代表だとします。もし部下と合う際にカジュアルな印象を与えることができたら、上司とのミーティングで緊張している部下も、気持ちが和らぎ意見が言いやすくなるかもしれません。
またオフィスワークが多いのであれば、自分も周りもリラックスして仕事ができるかもしれません。上手く活用すればカジュアルな印象もプラスに働きます。

着丈を長めにした時の見られ方

もしあなたが長い着丈を選んだのであれば、2つの見られ方をします。

1つ目は「信用できるビジネスマンに見える

ジャケット 長めの着丈 安心感

お尻まで隠れた着丈は、安心感を与え信頼できるイメージに見えます。しかも体の構造上目立ちやすいヒップラインを隠すことにより、大きな体格の人でもスマートに見せることもできます。
目上の人や顧客に逢うことが多いのであれば、お尻が隠れる程度の着丈をオススメします。

2つ目は「ダボついたジャケットを着ているように見える

これは、お尻下部より長い着丈は大きなジャケットに見えやすく、ダボットしたイメージになりやすいのが理由です。しかし、すっぽりと隠れている方が綺麗なシルエットに見えるのも事実です。
では長い着丈を選び、ダボつかせない為にはどうすればよいのか。答えは袖丈を詰めるです。
袖丈を詰めるとワイシャツの見える部分が増え、少しジャケットがコンパクトになったように見えます。これだけでも見られ方は変わるので、試してみてください。

まとめ

あなたに合う着丈の長さはわかりましたか?「どのような印象に見られたいか」これを気にするだけで日々のスーツの着こなしはとっても変わります。
私服で出社が可能な会社が多いとは言え、スーツはまだまだ着用することが多いです。必ずあなたの用途とどう見られたいかをイメージしておきましょう。
そうすればあなたが着用するべきスーツが浮かんできます。スーツに興味を持ち始めた人は参考にしてみてください。