オーダーシャツに関して

ワイシャツの形を崩さずにキレイに収納する3つの方法

ワイシャツ 収納 畳み方画像

多くのビジネスマンが仕事で着用する「ワイシャツ」
スーツで出社しなくても良い時代ではありますが、カジュアルな仕事着にワイシャツが必要な会社も多いとよくお客様からお聞きします。
大事な衣服だと分かっているけど、気づくとひどい状態になってしまうと相談を受けました。
その内容とは

・収納が上手くできない(二日後くらいには着ることになるので部屋の椅子等に放置)
・アイロンをかけるのが面倒だがシワは気になるので、クリーニング屋に任せる。

この二点です。
もしあなたが上記の二点に共感する部分があったり、これから先なる可能性があるのであれば、今回の内容はあなたにピッタリな話です。
なぜならとても簡単にワイシャツの形を崩さず収納する方法を知ることができるからです。
逆に上記の二点に当てはまらない方は、参考にならない場合があるので他の記事を見ることをオススメします。
当てはまる方はそのままお読みください。

収納前の洗い方で気をつけるべき3つのポイント

ワイシャツを収納する前にほとんどの方がおこなうことがあります。それはワイシャツの汚れを落とす「洗濯」です。
もしあなたがワイシャツは洗わないと思ったのであれば、今日から洗うようにしてください。なぜならワイシャツは汗取りで着るシャツと同じ下着だからです。下着を脱いだあと、洗わない人はいますか?大半の人が洗うはず、それと同じです。

ここではワイシャツの洗濯をする際に気をつけるべき3つのポイントをお教えします。
これを知れば普段と同じように収納したとしても、今までとは違った風合いをワイシャツの着用時に感じることができます。
是非試してみてください。
仮にあなたが全てのシャツを毎回クリーニングに出していたとしても、役立つことをお伝えするのでそのまま読み進めることをオススメします。

ワイシャツの洗濯は弱く・短く・低くが重要

ワイシャツを洗濯する際に重要なポイントは「弱く・短く・低く」です。
説明をすると、「弱くとは洗濯機の回転」「短くは洗濯時間」「低くは温度」のことです。これを守るとワイシャツの縮みをグッと抑えることができるのですが、実はもっと確実に縮みを抑える方法があります。それは手洗いです。
手洗いのやり方は、ネットにワイシャツを入れて小さな動きで洗う。その後、常温で自然乾燥をさせるとシワもできずらく、生地の収縮をかなり抑えることができます。
手間はかかりますが、かなり効果が高いです。何度も言いますが洗濯で押さえるポイントは「弱く・短く・低く」です。

ワイシャツの生地は本当に縮むのか?

生地が縮んだワイシャツを見たことが無いとお客様から言われることがありますが、それは着用時のフィット感に変化を感じたことが無いからでしょう。
ワイシャツの縮みで一番感じるのは袖丈です。採寸するとすぐに分かるのですが、だいたい1~2cm程は縮んでいます。
あなたのワイシャツが気になる時はプロに採寸してもらうか自分で測り、購入したシャツのサイズを確認してみてください。実寸と製作された際の数値の差が、どれくらい縮んだかの数値です。

シャツの素材ごとに洗濯方法を変える

ワイシャツ 洗い方 表記

シャツの素材には綿や麻などの天然素材を使用していることが多いです。天然素材は縮みやすくとてもデリケート。
そんなデリケートなワイシャツを通常と同じ方法で洗濯していては、寿命を縮める原因になります。
ここでは一番ワイシャツの生地に使用されることが多い綿と麻についてお話します。あなたのシャツの素材が何で製作されているか確かめてから、確認してみてください。

・綿素材のワイシャツの洗濯方法

綿ワイシャツを洗濯する上で大事なことは「小さめのネットで1~2分間手洗いをすること」です。そうすることで、綿の収縮を防ぐことができます。
できれば自然乾燥が望ましいですが、もしあなたが乾燥機を使用したいのであれば5分だけと限定してください。
理由は完全に乾燥機で乾かしてしまうと、ねじれや縮みが起こりやすいからです。5分だけ乾燥機を使用した後はハンガーで自然乾燥させてください。

・麻素材のワイシャツの洗濯方法

麻素材の場合は、「回転弱、常温(低温洗浄)」この二つに気をつけて下さい。
特に麻は繊維の芯まで色が染まりにくいという特徴があるので、色落ちが他の素材よりも起こりやすいです。
これを防ぐ為には常温、回転弱で短時間の洗いで済ませることが風合いを落とさない秘訣。
余裕があれば手洗いに洗濯方法を変えてあげるとより長持ちして、洗濯後のシワも残りにくいです。

クリーニングに潜む意外な落とし穴

洗濯ではなく、クリーニングに全てのワイシャツを出す方に知っておいて頂きたいことをお話します。
それは、クリーニングに出せば出すほどワイシャツの寿命は短くなることです。
一般のクリーニングでは、高温(約60度)で強い回転をかけて洗います。これは汚れを落とすことに特化した洗い方なので、衣服へのダメージは大きいのです。
もちろん頑固な汚れを落とす為、またはホコリが多い場で着用する仕事着のワイシャツであればクリーニングに出した方が良いです。
しかし、素材を選んでオーダーしたシャツや高級素材のシャツは適した洗い方ができるクリーニング店か、手洗いをご自宅でした方がよっぽど長持ちします。
洗濯だけではシワがどうしても気になる!というのであれば衣替えのタイミングでクリーニングに出し頻度を下げれば良いのです。なんでもやり過ぎは良くないという事です。

5分でできる!収納前にやるべきシワ防止法

収納前、もしくは着用前にアイロンをかける。そうすれば毎回シワの無いキレイなワイシャツを着れます。分かってはいても、これって意外と大変ですよね。
収納前であれば他の洗濯も畳んでいるので面倒ですし、着用前だと時間が無いのでそんな余裕がない。なんてことも・・・
そんなあなたにオススメなのが「手アイロン」。これは私が実際に毎日おこなっているもので、時間がどうしてもない時でも、まるでアイロンをかけたかのようにシワを伸ばすことができる方法です。
「今日着用しているシャツ、実はアイロンをかけてない」と友人に話をした時に驚かれたという実績??を持つ方法です。5分もあれば実践できるので、活用してみてください。

もちろんテーラーである以上、手アイロンだけでなくアイロンかけもしっかりとおこなっています。そこはご安心を。

手アイロンとその方法

手アイロンとは名の通り、シワを伸ばすために手でアイロンをかけることです。とても簡単で、シワになりやすい素材ほど手アイロンに向いています。
重要なのは「濡れている内におこなうこと」で、要は濡れている服のシワを伸ばして干すイメージです。
手順は以下に記載します。

① 平らな場所で

洗濯終了後、時間を置かずすぐに取り出します。その後平らな場所(洗濯機の上でも可)でシャツを広げます。

洗濯機の上で広げたワイシャツ

② ゆっくりじんわりとシワをのばす

片方の手を平らにして、中心から外側にゆっくりじんわりとシワを伸ばします。その際に反対の手で少しだけ引っ張ってあげます。

じんわりと広げている写真

③ ハンガーにかけて干す

襟などもしっかりと伸ばしたら後は干すだけです。仕上げとしてハンガーにかけた後に少しだけ引っ張ってあげてください。
あとは濡れた重みで自然とシワが伸びていきます。これだけで自然乾燥後の出来栄えがかなり変わります。一度で良いので試してみてください。

ハンガーに干すときはボタンを留める

30秒でシワ無くキレイに収納する方法

ここまでお読みになったあなたであれば収納の時にだけ気をつけるのではなく、洗濯にも気をつけないといけないことがお分かり頂けたと思います。
では最後にキレイに収納するための、畳み方と一番私がオススメする誰でもできる簡単な収納方法をお話します。どれだけ簡単かというと、約30秒でシワ無くキレイに収納できるほど簡単です。
アイロンをかけるのが面倒だと思って読み進めたあなたにこそ、ピッタリな方法です。しかし!その収納方法は後ほどお話しますね。まずは畳み方から学んでみましょう。

用途ごとで違うワイシャツの畳み方

普段からワイシャツを畳んで収納する方は多いと思います。畳んでおくとタンスなどにとても収納しやすいですからね。
しかし、用途にごとにワイシャツの畳み方を変えるのはご存知でしょうか。意外と用途まで考えずに畳むことが多いと思います。
例えば半袖と長袖を一緒に畳んで収納するのであれば、袖が見えるように収納した方が後で取り出しやすいですよね?そういった用途ごとに分けて畳むことも、ワイシャツを収納する上で大切なことです。
ここでは二つの畳み方をお教えするので、あなたの畳み方と比較をしてみてください。

スタンダードで袖にもシワができにくい畳み方

① 全てのボタンを留めます

畳む ワイシャツ ボタン閉める

② 反対に裏返し、袖を肩幅より内側で折り返します。

袖の内側で折り返す

③ 袖の付け根に合わせて再度折り返します。

袖の付け根から折る写真

④ 反対側も同じように折り返し、袖を均一に重ねます。

Point! この時に袖のシワはできる限り手で伸ばしておく。

袖 均一写真

⑤ ワイシャツの裾をカフスと一緒に折り返し、そこからシャツを半分に折ります。

Point! 半分に折るときは全体のバランスが重要

裾折り 半分にする

⑥ 裾とカフスは④でできた、袖と袖の間に入れる

半分に折ったワイシャツ

⑦ 表の目立つシワを伸ばしたら、完成

完成 ワイシャツ 畳み方

半袖と長袖を一瞬で見分ける畳み方

① 全てのボタンを留め裏返したら、肩と袖の付け根で折り返します。

肩と袖の付け根で折り返す

② 袖の中心から襟に向かって、真っ直ぐに折る。

袖の中心から折り返す

③ カフスの端からワイシャツの端を中に折り返す。

カフスの端から折り返す

④ 反対側は袖ごと反対に折り返す

反対も肩線から折り返す

⑤ 折った袖の中心から折り返す。はみ出た肘の部分は中に折る

袖の中心から折り返す

⑥ ワイシャツの裾部分を折り返してから、シャツ全体を半分にする

裾部分を間に入れる

⑦ 裾を袖と袖の間に入れて、ひっくり返したら完成

袖の見える畳み方 完成

30秒でできる意外とやっている人が少ない収納方法

ワイシャツ 収納 方法

大変お待たせしました。先ほどお話した僕が一番オススメの収納方法をお教えします。
この方法はとても簡単なのにシワが付きずらく、すぐに取り出せるすぐれものです!
その方法とは、「ハンガーに掛けて収納すること」です!
焦らしておいて普通だと思いましたか?実はこの普通こそがワイシャツの襟や袖、身頃のシワ防止に一番効果テキメン!
この方法で収納すると襟は他のシャツと重なることがないので、潰れることはありません。さらに重力で裾と身頃が伸び、シワができずらいのです。

ここでのポイントは二つ。

一つはボタンを全て留めること。一番時間がかかりますが、これにより身頃のシワができずらくなります。
もう一つはハンガーをなるべく肩幅より少し小さく、厚みがあるものを選びます。こうすることにより肩周りのシワが付きづらくなります。

この方法は意外と知っているようで、やっていない方がお客様でも多かったです。アイロンをかける時間が無いけどシワはついて欲しくない!という方は一度試してみてください。

ちょこっと豆知識 ハンガーの重要性

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ことわざで大は小を兼ねると言いますが、ハンガーはそうはいきません。大きすぎるのは腕の部分まで広げてしまい、肩のシワの原因になります。
もちろんちょうど良い大きさが理想ですが、自分のワイシャツと同じ幅のハンガーは用意しずらいので、少し小さめとお伝えしました。
ハンガーを購入する際の参考になれば幸いです。

まとめ

いかがでしたか?
・素材ごとに洗い方を変えること
・手アイロンによるシワ防止
・ハンガーかけ

以上の3つを実行することで簡単に収納できるだけでなく、シワも防止できることがお分かりいただけましたか?
実際に試してくれた方からは「アイロンが上手と言われた」なんてお言葉も頂くほどです。
収納が上手くできない、アイロンをかけるのが面倒という方は騙されたと思い試してみてくださいね。
きっとあなたも「アイロンをかけるの上手ですね」と言われる機会が増えると思いますよ!